実直で行動力があった2代目の徳川将軍は父の言いつけをどう聞いた?
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第50回 ~徳川秀忠~
○日柱の干支:「壬午」(みずのえうま)
これは、「壬(みずのえ)」は自然界の物質に表すと海や川、「午」は季節で夏を意味することから、「壬午」は夏の海と解釈できる。夏の海には、涼を求めて大勢の人が訪れ、浜辺や海辺で遊んだり泳いだりしている。秀忠も、そのように人が集まってくる存在だったのだろうか。家康は一握りの側近政治だったのに比べ、秀忠は老中の意見をよく聞く穏便な政治だった。海は広く大きく計り知れない可能性を持っているように、秀忠も器が大きく、深い人間だったことが予想される。
なお、「壬午」は異常干支。霊感が強く、先見の明がある。偉大な父・家康のもと、自らの考えでは動きにくいところがあったろうが、上手にふるまえたのもこの霊感の賜物だろうか。
同様に、日柱の干支に「壬午」を持つ有名人として、アニマル浜口やプリンセス天功がいる。
続いて、通変星、蔵干通変星から秀忠の性格を読み解いていく。通変星、蔵干通変星をわかりやすく円グラフに表すと下記のようになる。
知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手
行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる
人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。
自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。
遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。
〇行動力60%!(正官)
行動力は、頭で考えるよりも行動で結果を出そうとする星。中でも「正官(せいかん)」は、真面目でプライドが高く、責任感が強い星。秀忠はこれを3つも持っていて、相当プライドが高く実直な人物であったのだろう。
秀忠を鑑定するにあたり、様々な文献にあたったが、すべての文書に共通して書かれていたのは、父・家康に従う謙虚な姿。四柱推命鑑定からも、「言われたことはしっかりやらないと」という頑なまでの真面目さがみて取れた。
しかし、もちろんただのでくの坊ではない。その秀忠の真面目さにある意味日本が救われたとも取れる。慶長14(1609)年、フィリピン諸島臨時総督の任を終えた、スペイン人のドン・ロドリゴ・デ・ビベロがメキシコに帰還する途中、日本近海で遭難し、房総半島に漂着した。そのことを知った秀忠はロドリゴと江戸城で引見した。会見記によると、秀忠は実に堂々としており、日本国の皇太子としての外交儀礼を十二分に果たしていた。「ドン・ロドリゴ日本見聞録」によると、「秀忠には種々の善行があり、夫人がただ一人というのもその一つである。彼は厳正にして罪を憎み、盗賊や不行跡の婦人に対しては特に厳しかった」として、秀忠の姿勢を大いに褒めていた。スペインは当時植民地の拡大に動いていたが、ロドリゴは秀忠の対応や諸々の事情を配慮し「武力による侵入の困難で厄介な相手」と結論付けている。
ロドリゴの言うように、秀忠の責任感の強さは人一倍だったのだろう。基本的に温厚であった秀忠だが、法を犯した者に対して厳格に処分した。伊豆の三島に泊まりに行ったとき、供の1人が三島神社境内の神池のウナギを取って食べてしまった。「上様のお供なれば、神のたたりなどない」と話すその人物に対し、「とんでもない輩だ」と、その者を捕らえて磔にし、三島の町はずれにさらした。
「正官」が3つと、バランスを欠くほどの真面目さとプライドの高さを持っていた秀忠であるが、プライドの高さが行き過ぎて「父の言うことに従えない!」という態度にならなかったのは、秀忠が父・家康を観察し、導き出した賢い生き方といえるだろう。
〇知性30%!(偏印)
知性は何かを学ぶことが好きで、物事を論理的に捉えるのが得意。中でも「偏印(へんいん)」は、知的好奇心が旺盛で、アイディアや発想力がある。変わり者、個性的で放浪好な面を持つ。海外が好き。
先に見たように、スペイン人とうまく外交できるほどだから、外国人にも通用する相当な知識と教養を備えていただろうことは容易に想像される。それと合わせて、少し人と違う、個性的な部分も持っていたのだろう。
秀忠は幼い頃からおっとりしており、多少のことには驚かない性格だったという。13歳の時、秀忠が読書をしている最中、突然牛が暴れて入り込み角で障子を突き破った。近侍の者達は仰天し大騒ぎをしたが、秀忠は驚くそぶりを見せず読書を続けた。また、猿楽を鑑賞している際、地震が起きた。建物が傾くほどの振動で、秀忠に対して「若殿、早く」と非難するよう求めたが、「まだ屋根が落ちていないからあわてることはない」と言って動こうとしなかったというエピソードも残る。
〇遊び心10%!(傷官)
生活に遊びを自然に取り入れることができる星。中でも「傷官(しょうかん)」は、芸術性が高く感情の起伏が激しい星。繊細な芸術家のイメージである。また、男性で持っていると、傷つきやすい面を持つ。また、「傷官」は頭のいい星でもあり、交渉能力が高く、弁が立つ。
秀忠の妻といえば、言わずと知れた浅井長政の三女、江(ごう)だ。大河ドラマでも取り上げられるほどの江戸幕府を支えた重要な裏方。秀忠より6歳も年上の姉さん女房であった。諸説あるが、秀忠は妻・江に全く頭が上がらなかったという話は非常に有名である。これもまた諸説あるが、秀忠にはお静という唯一の側室がいた。奥女中で板橋在の竹村の大工の娘であり、部屋方に奉公していた。従順でおしとやかな女性で、秀忠がぞっこんほれ込み懐妊した。「保科正之公傳」によると、お静は2度懐妊している。あっぱれ!でかした!喜ばれるところであろうが、妻・お江の耳に入ることを恐れ、一回目はひそかに流産したという。妻の目を気にする繊細な性格だったのだろうか。お静の二度目の懐妊の折には無事に出産し、屈指の名君・保科正之が生まれているが、江には伏せられたという。
続いて、十二運星を見て、持って生まれたエネルギーを見ていく。